こんにちは、10年後にFIREを目指す経済ライターのヒラノです。
FIREの種類についてこの記事では紹介しようと思います。
- LeanFIREって何?
- FatFIREって何?
- それぞれのFIREはどんな暮らしなの?
こんな疑問ありませんか。FIREを始めて勉強していくと、そのうち耳にする言葉が「LeanFIRE(リーン・ファイアー)」と「FatFIRE(ファット・ファイアー)」です。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early(経済的独立と早期リタイア)」の頭文字を取った米国発のムーブメントです。倹約と投資、副業などを組み合わせて、30代など通常よりはるかに早い会社員リタイアを目指す手法です。
FIREの種類を学ぶことで、自分目指す「FIRE」がどういったライフスタイルなのかが明確になってきます。
自分の目指すべき道が分からなければ、FIREに向けた倹約・投資もなかなかはかどりません。
この記事では、プロの経済ライターとして10年以上の経験を持つヒラノがLeanFIREとFatFIREについて、徹底的に解説します。
FIREの種類をしっかり学んで、自分の目指すFIREの道を明確にしていきましょう。
FIREの種類について、結論からお話します。
3つのFIREの概要
LeanFIRE →通常よりかなり極端に倹約した生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。サラリーマンでも実現可能性が高く、最短で達成が可能になる
通常FIRE →やや倹約〜通常の家庭の生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。高年収のサラリーマンや副業がないと年数がかかる傾向
FatFIRE →通常の家庭より多めの生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。超高年収だったり、個人事業で相当な収入を得ていないと達成は難しい。
それでは、この3つのFIREについて詳しく見ていきましょう。
FIREの2つの方向性
どれぐらいの生活費が目安なの?
FIREは米国生まれです。
ですから、アメリカのFFIREのブログなどを参考にしてみると、だいたい以下のような基準で考えられている用です。
(米国の事例)
- LeanFIRE年間生活費が0〜430万以下=目標額が1億750万円
- 通常FIRE→年間生活費が430万円〜1000万円
- FatFIRE→年間生活費が1000万円〜
<それぞれのFIRE達成金額>
- LeanFIRE=1億750万円
- 通常FIRE=1億750万円〜2億5000万円
- FatFIRE==目標額が2億5000万円超
出所:What’s the Difference Between Fire, Lean Fire, and Fat Fire?
ちょっとあまりに金額的に大きい感じがしますね。
英エコノミスト誌が算出している、ビッグマックをもとに比べた各国の購買力比較「ビッグマック指数」(2020年1月時点)でみると、日本円はドルに比べて−37.5%過小評価されています。(参考:「マーケットの常識を疑え」より)
要は日本はモノの価格が安いので、米国より日本の方が暮らすのにかかるお金「生活費」は低い訳です。
知り合いで米国駐在の方が居ますが、場所にもよりますが、日本より生活かなりきついと言ってました。
日本でFIREするなら、日本独自の金額が必要そうです。
日本の公務員の給与を決める際に使われている統計を基に、日本版FIRE基準の数字を作ってみました。東京都の数値で考えています。
結構、切り詰めた数字のように思えるので、この標準生計費以下をLeanFIREと想定していきます。
帰省など年間のイベント費が入っていないように思えるので、その分と家賃もかなり安いので、これも毎月3万ほど増額しておきます。(おそらく公務員は社宅などがあるから安く出ているはず)
こうして計算した結果!
日本版FIREの標準値(私案)
<2人ぐらし想定の年間生活費>
- LeanFIRE 〜250万円
- 通常FIRE 250万円〜600万円
- FatFIRE 600万円〜
<FIRE達成額>
- LeanFIRE 〜5000万円
- 通常FIRE 5000万円〜1億5000万円
- FatFIRE 1億5000万円〜
LeanFIREの概要
Leanとは日本語だと「(贅肉がなく)やせた、細い」という意味です。
要するに、無駄な支出(贅肉)をそぎ落として、必要な支出だけしている生活の状態でFIREするということです。無駄な支出を抑えているので、当然、目標額も少ないです。
その方の収入にもよりますが、毎月の貯蓄率が50%オーバーしている例も多いです。
ちなみに、FIRE達成し有名になった三菱サラリーマンさんは、80%の貯蓄率だったそうです。
標準もしくは高収入な方では、達成年数10数年以内という例もあります。
FatFIREの概要
Fatとは日本語だと「太った、肥満した」という意味です。
要するに生活費をそこまで削らない生活の状態でFIREするということです。
人生の楽しみは浪費にこそありますよね。
FIREしたあとも旅行したいですよね。
ただ、目標額はどうしても高くなりがちです。
超高収入とかでなければ、毎月の貯蓄率も下がるので、達成までにかかる年数は長くなりがちです。
一般的な年収の方では達成不可能な可能性もあります。
LeanFIREってどんな暮らし?
ピート・アデニーさんの場合
LeanFIREの事例を見てみましょう。
FIREの火付け人、ピート・アデニーさんは3人家族で2万4000ドル(約257万円)で暮らしているそうです。
30歳で達成したFIRE目標額は60万ドルでした。DIYでさまざま家の修繕をおこなったり、家出リンゴの木を育てたり、服は中古を購入したり。
家具も人からのもらい物ばかりです。
カフェラテもスタバに行かずに自宅で作ります。
LeanFIREの生活イメージ
海外だとイメージしにくいと思うので、日本だとこんな生活です。
<LeanFIREのイメージ>
- 海外旅行は行けても数年に一度
- 家賃は6〜7万円ぐらいが上限(都心ならワンルームなど)
- 外食は週に1回するかどうか
- 子どもの教育費は最低限、基本的に国公立でお願いする
- 自宅から離れた大学に行く場合、奨学金も検討してもらう
- 鬼の倹約をする代わりに、そこそこの年収でも達成が可能
- 年収が良ければ、達成年数がぐっと短くなる
- FIRE後も倹約生活を続けられるかどうか、その生活を楽しめるのか、工夫や自分・家族の価値観に問い直す必要がある
ミニマリストと相性抜群
こうして見てみるとLeanFIREの暮らしが、ミニマリスト的な思考に結構近いことが分かります。
私もLean寄りのFIREを目指しているのですが、モノを最低限度だけにすることで、支出は結構減りました。
いらないモノって、実は多いんです。
そして、モノを維持するのには家賃などのお金もかかります。LeanFIREとミニマリストはかなり良い組み合わせだと思います。
FatFIREってどんな暮らし?
リビングストンさんの場合
FatFIREの事例も、見てみましょう。
29歳でFatFIREを達成したリビングストンさんは、夫婦で6万7000ドル(約718万円)で暮らしています。
金融資産は225万ドル(約2億4100万円)に達しているので、夫婦二人ともいつでもFIREできる状態です。(夫はまだ働いているそうです)。
FatFIREをこんなに若くして達成した理由は、リビングストンさんの「超高収入」です。
ハーバード大学を卒業し、金融業界で勤めました。引退時には給料は6桁半ば(半ばなら5千万円ぐらいでしょうか汗)あったといいます。
FatFIREの生活イメージ
さて、FatFIREの生活イメージも見てみましょう。
<FatFIREの特徴>
- 浪費もかなりできるゆとりある暮らし
- 子どもを教育費が潤沢(私立にも行かせられそう)
- 節約はそこそこ
- 毎年海外旅行に行けそう
- 超絶高収入じゃないと、達成不能
- できたとしても達成に時間がかかり、もはやただのリタイアになりそう
こんな生活です。リビングストンさんの場合だとFIRE目標額718万円×25倍=1億7950万円が目安です。
大卒の男性の生涯賃金が2億9000万円、大卒の女性が2億5000万円なので、夫婦の生涯賃金はで5億4000万円。(ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―より)
税金なども考えると、共働きでも相当きつい数字ですね。
それぞれの人のFIRE生活
LeanFIREが多数派!
日本だとまだFIREした人自体が貴重なので、米国の例をFIREの基準を作っていた先ほどのブログから見ていきましょう。
出所:What’s the Difference Between Fire, Lean Fire, and Fat Fire?
あくまで人気ブログ内でのアンケートのようですが、LeanFIREと通常FIREが多数派で、FatFIREは1割以下でした。
やはり、米国でもここまで稼げる人は少ないのでしょう。
自分の価値観を知ろう
あなたの人生の楽しみがどこにあるかで考えてみましょう。例えば、海外旅行が大好きな方はLeanFIREだと厳しいかも知れません。
通常FIREやFatFIREを目指す必要があります。
また完全に働きたくないなら、FIRE後の生活スタイルが変わる可能性なども検討して、生活費に余裕を持たせておく必要がありそうです。
自分のFIREの目標額をしっかり決めるためにも、生きるために必要な「必須生活費」と自分が快適に暮らすための「ゆとり生活費」を家計簿内で明確にしておく必要があると思います。
まとめ
さて、今回のまとめです。
要点を振り返っておきましょう。
<3つのFIREの概要>
- LeanFIRE →通常よりかなり極端に倹約した生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。サラリーマンでも実現可能性が高く、最短で達成が可能になる
- 通常FIRE →やや倹約〜通常の家庭の生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。高年収のサラリーマンや副業がないと年数がかかる傾向
- FatFIRE →通常の家庭より多めの生活費の25倍の金融資産を蓄えて、FIREを行うこと。超高年収だったり、個人事業で相当な収入を得ていないと達成は難しい。
そして、日本での目安の金額はこんな感じでした。
<日本版FIREの標準値(私案)2人ぐらし想定の年間生活費>
- LeanFIRE 〜250万円
- 通常FIRE 250万円〜600万円
- FatFIRE 600万円〜
<FIRE達成額>
- LeanFIRE 〜5000万円
- 通常FIRE 5000万円〜1億5000万円
- FatFIRE 1億5000万円〜
自分の目標をしっかり決めて、達成していきたいですね。
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